parfum、bougieにまつわる話から、食やお花の話題、ブティック情報、フランス各地のイベント情報まで
パリから旬のエッセンスをお届けします。
年が明けると、他の花に先駆けてミモザが黄色いぼんぼりのような花をたわわにつけ早春の訪れを告げる。 カンヌから西のサン・ラファエルにかけて続くCorniche d'Or/ コルニッシュ ドル、黄金海岸沿いの小さな町、Mandelieu La Napoule/ マンドリュ ラ ナプールでは毎年2月にミモザ祭りが行われる。ニースのカーニバルでは色とりどりの花に飾られた山車のパレードが春の到来を祝う。そして、復活祭の頃には空気も暖かくなり春たけなわスミレが咲き、人々も楽しそうな表情に。初夏から7月にかけてプロヴァンスの大地は芳しい香りのラベンダーで覆われ、高原の村Sault/ ソーではラベンダー祭りが開かれる。丘陵地帯のヒマワリ畑が黄色く染まると夏本番。太陽の光の向きに一斉に首をのばしたヒマワリ達はどこか微笑ましい。四季折々さまざまな花で彩られる南フランス。 Grasse01
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華やかな香水の都のはじまり~繁栄
Cote d'azur/ コート ダジュールの内陸からProvence/ プロヴァンスにかけては香料を採取する花々が自生、栽培されていて、それらは香水の原料となりGrasse /グラースやÈze/ エズの工場に運ばれる。香料の街として世界に知られるグラースは地中海沿いのカンヌから内陸に17Kmほど入ったところに位置する。
中世から皮革産業が盛んな地であったが、16世紀に革特有の匂いを消すためになめし液に芳香植物を用いた手袋がヨーロッパ中で評判となり、フィレンツェのメディチ家がグラースの風土は香料植物の栽培に適していると判断した。その後17世紀から18世紀にかけて様々な香料植物を栽培するようになり、同時に天然香料の抽出方法の研究も盛んに行われ発展した。周辺に野生する花、植物の漂わせる力強く、かつそれらの調和のとれた香りが香水作りの最良の模範となり、皮革産業がイタリアへと移った後も、香料産業は存続し街は大いに栄えた。

Office de Tourisme de Grasse グラース観光局 

◆毎年8月には Fete de Jasmin/ ジャスミン祭りが行われる
http://www.ville-grasse.fr/jasminade/

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中世には運河が流れていたというグラース旧市街

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ガリマールのKirstie キルステイ Perfume Creation Consultant 語学も堪能で7ヶ国語を話す
香りにひとめぼれ
画家だったキルスティは、ある時 南フランスを訪れ、香りと恋に落ちた。以来25年グラースで香水の仕事に携わっている。「最初に来た時の印象は、まさに花の香りに包まれる香水の地!でした。野生の花々、芳香植物がグラースの町から車で数分のところでみられます。この辺りでは年間を通してさまざまな香りを感じることができるのです。」特に早春から夏にかけて、コート ダジュール~プロヴァンスは花の香りでいっぱいになるそうだ。ミモザ、アーモンド、スミレ、バラ、ジャスミン、チュベローズ、ラベンダーなどを目にすることができる。「地中海にも近く、青い海、海岸線の美しさはもちろん、内陸にも景勝地がたくさんあるんですよ。山の斜面には民家が連なり、点在する「鷲の巣村」と呼ばれる集落はまるで空に浮かんでいるかのように見えます。どの村も個性的なのでどこかに立ち寄ってみることをおすすめします。南フランスの人々は子どもの頃から本物の花や植物の香り、自然の恵みを感覚的に知っていて、上手に暮らしに取り入れています。料理にもハーブをふんだんに使いますよね。香りを楽しみ、有効に活用する伝統的な生活習慣があるようです。以前はどこの家でもオレンジウォーターをリネン類にスプレイしていましたが、最近そのような習慣がうすれてきていて残念に思います。」
     
Grasse06植物を暮らしに取り入れる伝統習慣は、ぜひ継承していきたい そんなキルスティの好きな季節は「木々の新芽がでて、花がさきはじめる春、とても平和な気分になります。葉の色が変わり、ヒノキが紅くなる秋も好きです。植物たちが冬に入る前にみせてくれるまさにラストスペクタクル。一方、夏は人が増え、混み過ぎるので、騒がしくて・・・。仕事もかなり忙しい時期ですし(笑)」 自然の中に身をおくことが好きで、プライベートは自宅近くの森をよく散歩する、常に季節を感じながら暮らせることに幸せを感じているそうだ。セイリングや乗馬も嗜む。

フィンランド出身の彼女にとってキャンドルは生活に欠かせない。子どもの頃から身近にあったのであまり意識したことがないとのこと。
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左:GALIMARD /ガリマールの香りの工房では香水の創作体験ができる。 あらかじめ調合された150種以上の香料から自分のイメージにあわせてベースノートから、ミドル、トップと順番に選んでいく。途中で専門家のアドバイスをうけることもできる 右:出来上がった100mlの香水に自分でネーミングして、持ち帰る。そのレシピは保管され、再注文も可能。

Grasse01 PerfumerのCaroline の最初の香水はジャック ゲラン調香のEAU DE FLEURS DE CEDRAT /オー ドゥ フルール ドゥ セドラ (1920年) 12歳の時にプレゼントされたもの。花の香りが大好きなので所有している香水のほとんどがフローラルノート。シャネルのALLUREもよく使う。
 
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フレグランスキャンドルは仕事の後や、休日、リラックスする時間に必ず灯している。お気に入りはバニラの香り。フィンランドでは、朝食のテーブルにもキャンドルを燈すそうだ。「キャンドルの光はやわらかく、あたたかいので気持ちが落ち着きます。電気の照明は強過ぎて、時にはまぶしく感じることもありますね」

 
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Le Studio des Fragrances –GALIMARD
5, Route de Pégomas 06130 GRASSE
TEL 04 93 09 30 00
www.galimard.com
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