四季折々の植物の話。

仏:Jacinthe
英:Hyacinth

春を待つ花として早春の庭を彩る球根の花々。冬の寒さを固い球根の中で耐えたのちに、花開くヒヤシンス。花のつぼみが色づく様子を見ていると、寒い中にも一歩ずつ春の訪れを感じられる。ヒヤシンスは、ユリ科の球根性多年草。耐寒性の強い植物。

香料はマイルドなグリーンノートで、みずみずしく、甘く爽やか。さまざまなパルファンやキャンドルにも用いられ、フレッシュでフローラルな香りは他の花香とも調和しやすい。室内に飾れば、その独特なこくのある香りが漂う。春の明るい情景がひろがり、気持ちも軽やかに。

花言葉は「悲しみを越えた愛」。
その名は、ギリシャ神話の美青年ヒュアキントスに由来する。医学の神アポロンと円盤投げをしている楽しそうな様子をに嫉妬した西風の神ゼビュロスが風を起こし、アポロンの投げた円盤がヒュアキントスの額を直撃してしまう。治療の甲斐もなく、大量の血を流してこの世を去る。この時に流れた大量の血から生まれた花がヒヤシンスという逸話が残っている。

ヒヤシンスの香りは、その悲しみを、そして凍てつく冬を乗り越えた、美しくきらめく春の足音のよう。


 
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